第56章 新成ハンジ班!始動!!
『もっと蕩けるように!もっとモノ欲しげな視線だ!!』
『む、無理ですよそんなの…!』
『ニファはこうだ!“その妖しく光る視線に捕われてしまえばもう動けない。豊満で肉厚な舌先で上唇をペロリと舐める姿はまるで狩りに出る女豹。狙った獲物は逃さないとばかりに爪を立てた細長い指で雄の象徴をその手中におさめられてしまえばもう抗う術などありはしなかった…”だ!!ニファは狩りに出る女豹!もっと!豊満な肉体を全面に出してアピールしろ!!』
『ほ、豊満ではありません〜!!』
『文句を言うな!!とにかくクレアは蕩けろ!そしてねだれ!!ニファは女豹だ!!そして買わせろ!!ハイ!やり直し!!』
やり直しと言われた2人は観念すると、目の前にいるケイジとパドリックに擦り寄り、ハンジに命令された通りのセリフを呟いた。
『あ、あの……この資料……買って…下さい…』
クレアはこれでもかという程ケイジを上目遣いで見つめ、必死に目を潤ませる。
『そうそう!いいね〜!!』
『ほ、欲しければ…売ってあげてもよくってよ!!』
今度はニファがパドリックに向かってサディスティックに言い放った。
『おぉ、ニファー!!やればできるじゃん!!いいよいいよ!2人とも最高だ!うっひゃー!なんか滾ってきたぁ!!その調子でもっといってみよう!』
『ぶ、分隊長……さすがにコレはやりすぎでは……』
客の役をやらされていたケイジとパドリックも、すがるような視線でモブリットに訴えている。
さすがにやりすぎだと制止をしたが、ハンジの耳には届かなかった様だ。
「………………」
リヴァイはハンジが当面の資金づくりのためにカマキリの資料を売りに出すことは知っていた。
しかし、こんな話は聞いていない。
この光景を見る限り、クレアとニファを使って色仕掛けで強制的に買わせる算段なのだろう。
いかにもハンジの考えそうな事だが、そこにクレアが関係すると、話は別だ。
リヴァイは執務室の扉を蹴飛ばして中に入ると、本を片手に追い鞭を握っているハンジの前に立った。