第56章 新成ハンジ班!始動!!
疲れた顔をしていないだろうか…
食事はちゃんと摂れているだろうか…
今朝姿を見れなかっただけで、いらん心配ばかり頭をよぎる。
リヴァイはもしクレアが少しでも疲れている顔をしていたら、いったいどんな方法でハンジに制裁を下してやるか考え出す始末だ。
もう思考回路の全てはクレアの事だらけだった。
「はぁ………」
同じ兵舎にいるにも関わらず、今朝はクレアの顔を見れなかった。
たったこれだけの事であるのに、今のリヴァイにとっては大ダメージを与える程の大きな出来事。
そんな自分に小さくため息をつくと、目的地であるハンジの執務室に辿り着いた。
後はノックをして中に入ればいいだけなのだが、何だか中が騒がしい。
「朝っぱらからいったい何をやってるんだ…」
リヴァイは扉にそっと耳を近づけて中の様子を伺った。
『違ーーーう!!クレア!何度も言ってるだろう!もっと、もっと“目”と“唇”に意識を集中させろ!!』
『は、はい…!』
『ニファはもっと…こうだ!挑戦的なオーラを纏って相手をひれ伏させる勢いで見るんだ!魔性の視線で射抜け!!』
『は、はい…!』
「……??は…あのクソメガネ、何やってるんだ?」
きっとしょうもない事をやっているのは決定の様だが、リヴァイは何をしているのか確認するためにそっとドアをあけると僅かに開いた隙間から中の様子を覗いて見た。
『違う違う違ーーーーう!!クレア!ここに書いてあるだろう?“その大きな瞳は月明かりで照らされた湖畔の様に潤い輝き、もぎたての果実の様に瑞々しく弾けた唇は、何かモノ欲しげに薄っすらと開いている。そして美しくスラリと伸びた脚をムズムズと擦り合わせている姿は、俺の下半身で熱く膨張してしまっている肉の塊を早く早くと急かすようにねだっていた”だよ!!はい!もう1回やり直し!!』
『ハンジさぁーん!!こんなの無理ですよ〜!!』
『泣きごとを言うな!!リヴァイのチ○コが目の前にあると思えばできるはずだ!ハイ!やり直ーし!!』
『ハ、ハ、ハンジさん!!』
「あんのクソメガネ……」
中の様子を目の当たりにしたリヴァイのこめかみに、ボコッと青筋が浮かび上がった。