第56章 新成ハンジ班!始動!!
「なんだよ!やっぱりそうだったのか?なんかリヴァイ兵長ってクレアが新兵に付きまとわれてると機嫌悪くなるし、新兵じゃなくても他の男と話してる時もなんか怖い目つきで睨んでる時があったからなんか怪しいと思ってたんだよなぁ。でもこれですっきりしたぜ。勿論!俺は応援してるからな!!」
「ケイジさん……」
「ゴメン…!!俺はミケさんからそれとなく…というかまぁまぁ聞いていたから知っていた…勿論、応援してるからそこは安心してくれよな!!」
「パドリックさん……」
自分のプライベートを自分のタイミングではない所で突然カミングアウトされてしまい、魂の抜けかけたクレアだったが、隣に座っていたモブリットが肩を叩き励ます。
「モブリットさん……」
「なんだよ!!みんなリヴァイの方を応援しちゃうわけ?1人くらいいないの?“ハンジさんを応援します!”って立候補する勇敢な兵士は〜!?」
鼻息荒く文句を言い出すハンジだったが、相手はあのリヴァイだ。
いくらハンジ班の班員として編入したからといって、リヴァイに楯突くような真似をする気など毛頭ない3人は、右に左に視線を泳がせながら紅茶を啜った。
「そ、それにしても蜂蜜とレモンは紅茶に合うなぁ!!」
モブリットが助け船を出すように話題を変えると、二ファもケイジもパドリックもその話に無理矢理乗っかりこのなんとも言えない空気から脱出しようとした。
「んー!!美味しかったぁ!!」
少々気不味い空気が流れたものの、クレアの用意した特製紅茶は大好評で、飲み終わる頃には皆十分にリフレッシュできた様だった。
「ありがとうございます…では最後にみなさんでこちらをどうぞ。気分もシャキっとなりますよ。」
「うぅ!!酸っぱい!!」
そう言ってクレアが皆にくし切りになったレモンを配ると、それを口に入れたハンジ達は酸っぱさにギュウッと目を瞑ると背筋をピンとさせながら皮を皿に置いた。