第56章 新成ハンジ班!始動!!
「良かったです…糖分は角砂糖でもよかったのですが、調理場に蜂蜜があったので、わけて貰いました。蜂蜜の方が栄養価も高いですしね。」
「すごいな…クレアって立体機動の腕や治療の技術だけじゃなくて、こんな事にも詳しかったんだな。」
「でしょー?!でしょでしょ?!!」
ケイジがクレアを褒めると、何故だかハンジが誇らしげに喜び始めた。
「クレアは巨人ぶった切るだけじゃなくて、料理もできるし掃除も早いし、紅茶も美味しいし、もうっ!私はね!クレアを嫁にしたくてしたくてしょうがないんだよーー!!」
ぐわぁー!!と叫ぶように立ち上がると、恥ずかしくなったクレアがすかさずハンジの暴走を止めに入る。
「ちょっと、ハンジさん!やめてください…恥ずかしいです!!」
ハンジの暴走は特に珍しい事では無いが、所属初日からこんな姿に愛想を尽かされでもしたら大変だ。
クレアは大慌てで止めたが時すでに遅し、暴走ついでにとんでもない事まで叫んでくれた。
「それなのに私は生物学的上女だからクレアを嫁にもらう事はできないときてる。嗚呼!!私はリヴァイが羨ましい!!」
「ハンジさん!!!」
ぐわぁー!と立ちあがったかと思ったら今度は振り上げていた両拳をテーブルにドンッとつきながらソファにドサリと座り直すハンジ。
“リヴァイ”というキーワードにニファとケイジがビクリと反応する。
パドリックはミケ班所属だったため、クレアとリヴァイの関係を知っていた。
しかし、ニファとケイジはリヴァイがクレアに接する態度でうすうす“付き合ってるのか”と思ってはいたのだが、今のハンジの発言で一気に2人の関係が明白となった。
口に含んでいた紅茶を吹き出しそうになったが、なんとか飲み込み、むせて咳き込みながらクレアを見る2人。
「ゴホッゴホッ!!!や、やっぱり兵長とクレアって付き合ってたのね?」
「ニファさん……」
別に頑なに隠すつもりはなかったが、いきなり上官からカミングアウトされてしまい、クレアは軽く魂が抜けかけた。