第56章 新成ハンジ班!始動!!
「皆さん、お疲れ様です!!これで少し休憩にしましょう!」
そう言ってテキパキとテーブルの上の紙の山をハンジの机の上に移動させると、皆の前に淹れたての紅茶をだした。
そして、真ん中に“あるモノ”を置く。
「クレア?これって、どうするの?」
ハンジが興味深げにしげしげと見つめてクレアに問いかける。
「はい、紅茶に入れてみて下さい。」
クレアが調理場から持って来たモノ。
それは、蜂蜜にスライスされたレモンとくし切りにしたレモンだった。
「紅茶はいつもの茶葉ですが、皆様朝から座りっぱなしでいつもの訓練とは違った疲労が溜まっております。身体の中の血液のめぐりが悪くなれば作業効率も下がる一方ですし、これを飲んで休憩にしましょう!温かい紅茶を飲めば身体も温まりますし、蜂蜜を入れれば脳の栄養源である糖分を効率よく摂取する事ができます。そして、レモンには疲労を回復させる成分が含まれております。紅茶や蜂蜜とも相性抜群なので是非一緒に入れてみて下さい。そして、最後に酸っぱいレモンの実を食べれば身体もリフレッシュするはずです!!」
「へぇ、そうなんだ。初めて聞いたわ…」
「どれどれ…やってみるか!」
皆順番に蜂蜜とレモンのスライスを入れてティースプーンでかき混ぜてからカップを口に持っていく。
「ん!うまい!!」
「なにこれ!おいし〜〜!!」
クレアが淹れた深く香る紅茶に、蜂蜜の甘さがまろやかに絡まり、スライスしたレモンがスッキリとした後味を残してくれる。
紅茶に蜂蜜とレモンは、全身が凝り固まった彼らの身体に染み込み、じんわりと疲れを取り除いていった。
クレアの提案は見事吉と出たようだ。