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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第56章 新成ハンジ班!始動!!





「て、手書きって…この量をですか?どこかの出版社に機材を借りる事はできませんか?出版社でなくても憲兵団の施設を借りるとか…」



「それはならん!!」



この量を手書きで増刷するなど狂気の沙汰としか思えない。
確かにこの文献にはいい値がつきそうだが、当面の兵団資金をまかなえるまで売りさばくとなると、かなりの冊数が必要だ。

いくらなんでも無茶な話だがハンジはモブリットの提案にキッパリとノーと言った。


「確かに出版社に機材を借りる事もできるが、金がかかる上に足元見られるのは目に見えている。それに増刷している間に情報を盗まれて先に儲けられでもしたらこの3年の努力が水の泡だ。憲兵の施設だって同じだ。レイチェルに頼めばある程度融通はきくけど、この貴重な情報が漏洩する可能性はゼロではない。これは、現時点で調査兵団が高額な現金と交換できる唯一の秘密兵器だ。絶対に現金と交換するまで外に漏らすわけにはいかない!!問答している暇はないよ!状況が理解できたなら作業開始!!」



「は、はい!!!」



ハンジがパンッと手を叩き命令をだすと、5人は不安を抱えながらも敬礼で答えた。



新成ハンジ班、いよいよ始動だ。
















まず50ページはある原本をバラして全員で手書きで1枚1枚書き写していく。

ある程度溜まったら今度は書き写し班と製本班に別れて分業だ。

だが、これでは書き写し班の疲労が著しくなるため、一定時間で役割を交代し、クルクルと回しながら作業効率を下げない仕組みを作った。




だが……




「うわぁぁぁぁ!!いってぇ!もう手首いてぇ!指いてぇ!!ぎゃあ!!マメ潰れたっつーの!!」



なんと言い出しっぺのハンジが1番先に根を上げた。

頭をグシャグシャと掻き毟りながらご乱心だ。



「ハンジさん、大丈夫ですか?診せて下さい。」


クレアはやれやれと小さなため息をつくと、棚から薬箱を出し、ハンジの指を診てやった。




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