第55章 ハンジ班!新結成!
「あっ………」
交わる視線の距離がいきなり近くなり、クレアの心臓が騒ぎ出す。
「お前を笑顔にするのはいつだって俺でなくては気にくわないと思ったんだ。だから…お前は悪くない…」
「す、すみません…私ったら…そんなつもりは……」
リヴァイの気持を理解すると、アワアワと慌てふためいてしまうが、ここはリヴァイの膝の上。
両頬を包まれ動きを封じられてしまえば、鋭い視線に射抜かれどうする事もできない。
「別に謝らなくていい……」
クレアの両頬は火傷を負い、大きなガーゼが貼られている。
首には包帯。
両手も包帯だ。
命懸けで上官を庇ったクレアのその傷を労うかのようにリヴァイは頬に、首に、手に…そっと口付けを落とし、最後にゴニョゴニョと謝罪の言葉を呟く薄紅色の唇を奪った。
「ん…んん………」
突然のキスにビクリと背中がしなるが、すかさずリヴァイの手のひらが後頭部にまわり、ブロックをされてしまう。
抗う術なくクレアはリヴァイの両肩に手を置き、素直に受け入れると、唇の隙間から舌を割り入れられ、お互いの唇はより一層深く繋がった。
「……ん、ふぅ………」
口内をくまなく愛撫され、最後に自身の舌先をキュッと吸われると、自分の意思とは関係なく全身が跳ねてしまう。
酸欠になりそうなギリギリのタイミングで解放されると、リヴァイの眉間のシワは解消されていた。
「あの…兵長……」
「あのクソメガネに勝手に妬いて勝手に嫉妬したのは俺だ。別に怒ってはいないから…ホラ、もう行け。痺れを切らしてここまで迎えにこられたら朝飯抜きになっちまうぞ。」
リヴァイは膝の上からクレアをおろすと、腰の辺りまで伸びている髪の毛にも口付けをした。
「内容は詳しく聞いていないが、仕事は山以上にあるそうだ。それ故にエルヴィンの仕事は分担できないと大威張りで言われた。癪に障るがお前が倒れても困るからな…明日の朝からは、これたらで構わない。無理だけはするなよ。」