第55章 ハンジ班!新結成!
クレアはそんな事実に少し胸がチクリと痛むと、紅茶を一口啜りながら、またこの光景が日常に戻る日がくることを心から願わずにはいられなかった。
そして30分程たつと、リヴァイはトントンと目を通した書類を整えテーブルの端に置き、クレアに声をかけた。
「クレア、今日はもういい。ハンジが早く寄越してくれと言っていたからもう朝飯行ってこい。」
「え?ハンジさんが…ですか?」
「そうだ。先日の壁外調査とアニ捕獲作戦、エレン奪還の件で多くの調査兵が死んだ。お前が医務室で眠っている間に新たな班編成を組んだんだ。ハンジ班にも新しい班員が入る。色々と忙しくなるから早めに来て欲しいと言っていた。」
「え?新しい方が入るんですね!!」
「そうだ。」
モブリットと3人での少人数編成も勿論悪くはなかったが、なにせハンジ班はやる事が多い。
ハンジは自分のやりたい事が最優先のため、事務仕事はだいたいモブリットが押し付けられる。
となると通常業務であり、この兵団の資金を支えてる発明品の精製は、今ではほとんどクレアがこなしていた。
そのため、人手が増えてくれるのは非常に助かる。
「あいつの怠慢ぶりに拍車がかからないといいがな…お前もあんまり甘やかすんじゃないぞ。」
「そ、そうですね…ですが、人手が増えるのは助かります。いったいどなたでしょうか…楽しみです。」
クレアはハンジの班へ編入したのが誰なのか気になり、思わずソワソワとしだしてしまった。
「アイツには言うなと言われてるからな。行ってからのお楽しみだそうだ。」
「ふふふ、ハンジさんらしい。」
“お楽しみ”とはなんともハンジらしいはからいだ。
クレアは思わず頬を緩めて笑ってしまった。
「…………」
クレアのやわらかい笑顔は、まるで白い綿菓子の様に柔らかくふんわりとした気持ちをリヴァイの胸に注ぎ込む。
だが、それと同時に、クレアのその甘くて可愛らしい表情は、途端にリヴァイ胸を急速に焦がしていった。