第55章 ハンジ班!新結成!
「…………」
毎度毎度の事だが、ハンジが部屋を出ていくと、まるで嵐が過ぎ去ったかのように途端に部屋が静かになる。
それ程までの膨大なエネルギーに満ち溢れたクレアの上官ハンジ・ゾエ。
エネルギーの放出量だけは、いくら奇行種クレアといえどとても敵わない。
「はぁ……やっとうるさいヤツがいなくなったな。」
そんな中リヴァイが小さくため息をついた。
「あの兵長……ハンジさんも怪我をされてましたが…その…大丈夫なのでしょうか?」
「あ?あのクソメガネの心配か?それなら不要だ。確かにベルトルトの一撃をくらったのは堪えたみたいだが、一晩寝たらピンピンに戻って、クレアクレアと喚きだしたくらいだ。昨晩も夜中に目が覚めるとかわいそうだとか言って聞かず、一緒のベッドに潜り込んではりついてこのザマだ…なんにも心配いらねぇよ。」
「そう…だったのですね……」
「そんなことより…自分の心配をしろよ。ハンジを庇うなんてクソみたいな無茶しやがって…」
リヴァイはそう言い立ち上がると、ポケットから櫛をだして、グシャグシャに絡まっていた蜂蜜色の長い髪の毛を丁寧に梳き始めた。
「私は別に無茶をしたとかは考えていなくて…でも、もしハンジさんが死んでしまったらと思うと、身体が勝手に動いてしまってました…あの、ご心配おかけして申し訳ございません…」
「はぁ…まったくだ。」
「……あの兵長?その櫛は…?兵長のですか?」
髪を梳いてるリヴァイの手に握られている櫛は自分の物ではない。不思議に思い問いかけたのだが…
「俺の物なわけないだろ。これはダスゲニーのだ。」
「そ、そうですか……」
その櫛の持ち主はリヴァイの愛馬だった。
「アイツも、お前に使うのなら怒らないだろうよ。」
「え?そうですか?ダスゲニーは兵長に従順ですし、たてがみを梳かす櫛1つ…兵長が誰に使っても怒ったりしないと思いますけど…?」
すると、リヴァイはフッと悪い笑みをこぼしながらクレアに言った。