第55章 ハンジ班!新結成!
「今呼んだのはハンジ分隊長でしたか?あれ?どうしました?!」
ベッドの上でのたうち回っているハンジを見て医師がギョッと驚いた。
「コイツは何でもねぇ。それよりクレアが目を覚ました。診てやってくれ……」
ゲンコツをお見舞いしたリヴァイは冷静にシレッとハンジをスルーすると、クレアの診察を申し出た。
「あぁ…クレア君!目が覚めたんだね。良かった良かった。どれ…少し診察しようかね…」
そう言うと医師は棚からクレアのカルテを取り出し、ベッドまでやってきた。
「い、痛っ!!」
クレアは両頬に、そして首周り、手の甲、指など、肌が露出している部分に火傷を負っていた。
「ごめんよ…でも、化膿はしていない。数日で良くなるだろう。でも毎日ガーゼは変えに来るんだよ?細菌が入ってしまったら治りが遅くなるからね。」
そう言って、全ての包帯を交換した医師。
「よかったぁ…こんな可愛い顔に火傷の跡なんて残ったらどうしようかと思った…」
そういうハンジの頬も赤くなり少し爛れて見えたクレア。
「だ、大丈夫です…ハンジさんも火傷ですか?」
「あれ?クレア、もしかしてよく覚えてない?」
「……………」
確か自分はエレン達と壁が破壊されたかもしれない場所まで向かうはずだったのだが…
なんだか頭の中がグチャグチャと混乱している。
「はぁ……クレア、お前、ライナーとベルトルトの事は覚えているか?」
「え……?!……あ、あぁ……」
リヴァイの言葉で一気に記憶が蘇る。
「そうだ…あの時、超大型巨人が落ちてきて……」
爆風と熱風からハンジを守ろうと飛び出した所でクレアは意識を飛ばしていたのだ。
「ごめんね…私なんかを庇ったから、こんな火傷を負わせてしまって…」
ハンジは少ししょんぼりした表情でクレアの頬をガーゼの上から優しく撫でた。