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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第54章 裏切り者の戦士






しかし、ライナーは組み合いで劣勢にも関わらず、渾身の力を振り絞り、エレンと自分の位置をズリズリと数メートル移動させた。


「な…何を!?」


アルミンはその“やる意味”の分からない行動に、何か嫌な予感がしてならなかった…




「へ…無駄な足掻きだ…」


「いいぞ!もう少しだ!!」



周りの兵士は気にも止めていない様子。

しかし心がざわつき落ち着かないアルミン。

ライナーはいったい何のために動いた。





「止まった…どうしてあそこで止まったんだ…」


わけがわからず心は煩くもざわついたままだ。

キョロキョロと周りを見渡し何もない事を確認すると、アルミンは上を見た。







「オオオオオオオオオオオオオ!!!」






壁をも破壊しかねない強大な声で叫ぶ鎧の巨人。

その轟音に皆の脳裏によぎったのは“あの時”光景。



「周囲を警戒しろ!!巨人を呼んだぞ!!!」



ハンジが警戒を命じる。

ライナーは劣勢。

言うなれば窮地だ。

そう、これは第57回壁外調査で目の当たりにしたアニの叫びと類似する光景だったのだ。





これから巨人の大群が責めてくるのか?

この人数で対応できるかどうかは分からない。

皆背筋を凍らせながら周囲をくまなく確認するが、巨人が向かってくる様な様子はない。




「ハンジさん!周囲に他の巨人は見当たりません!」


「ただの悪足掻きだ!!」


「てめぇの首が引っこ抜けんのが先だ!!バカが!」


「見ろ!もう千切れる!エレンやれ!!」




本当か?

悪足掻き?

そんな意味のない事をライナーはするだろうか?



ハンジがもうあと少しで首が千切れる鎧の巨人を見ながら考えていると、壁上から危機迫る声が複数聞こえてきた。







「上だぁ!!避けろぉぉぉぉぉぉ!!!!」








「あ……あぁ!!!」





見上げると、エレンに向かって急降下してくる超大型巨人の上半身。


このままエレンを潰す気か?




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