• テキストサイズ

ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第54章 裏切り者の戦士







「は……?何言ってるんだお前…」


「な……何言ってるんだライナー」





「…………」



ハンジもモブリットもエレン達の会話に気づいていない。



「俺達の目的はこの人類全てに消えてもらう事だったんだ。だが…そうする必要はなくなった。」




「!?!」




周りはガヤガヤとしている。

だが、何故だかクレアの耳にはエレンとライナーとベルトルトの会話が手にとるように聞こえてきた。

その内容は突拍子がなさ過ぎて気味が悪くなる程だ。



自分はどうすればいい……


自分はどう動くべきか……



ドクドクと心臓の鼓動が速くなるのを必死に抑えながら頭を働かせる。




「エレン…お前が俺達と一緒に来てくれるなら、俺達はもう壁を壊したりしなくていいんだ、分かるだろう??」


「はぁ?!イヤ待てよ!全然分かんねぇぞ!」


「だから俺達と一緒に来てくれって言ってるんだよ。急な話ですまんが、今からだ…」


「今から?!どこに行くんだよ??」


「そりゃ言えん…だが…まぁ、俺らの故郷ってやつだな。」


「………」


「で?どうなんだエレン、悪い話じゃないだろ?ひとまず危機が去るんだからな…」






「…………」


ハンジやアルミンの読みは的中だったのか?

少なくとも今聞いた会話が冗談でなければ、最悪な展開だ。

どうする……?!








「う〜〜〜ん、どうだろうな……」



すると、エレンが悩むフリをしながらミカサと目を合わせたのをクレアは確認した。

その瞬間にミカサの纏うオーラが変わる。

ライナーとの会話が聞こえないフリをしながら確実にミカサは臨戦態勢に入っている。

ここで押さえなければ調査兵団はおろか、壁内のすべての人類が危険に晒される。




「ヒストリア……ごめん…ユミルをお願いできる?」



「え?!クレアさん?」



「しっ!!私を見ないで……」





クレアはライナー達の視界に入らないようにゆっくりと近づいて行った。




/ 1981ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp