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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第54章 裏切り者の戦士






「我々は…穴を塞ぎに来たんだった……」



そうボソリと呟くと、ハンジはクレア達から背中を向け、エレンがいる方へ向かって行った。



「ハンジさん……」



104期も徹夜だが、クレア達もアニの捕獲作戦からずっと緊張状態だ。

その上壁が破壊されたという情報のためここまで走ってきた。

アニの捕獲は成功したが、情報は聞き出す事には失敗。

多くの市民の命を奪い、壁が破壊され、飛んで行ったらナナバ班もゲルガー班も戦死。

そしてユミルは巨人化できる人間だった。



雪だるま式に次々と起こる事件にさすがのハンジも少し疲れの色を見せていた。



「確かに…分隊長の言う通り…我々は壁の穴を塞ぎに来たんだ…まだ仕事は終わりではない…」



「モブリットさん……」



これから壁の破壊場所まで行き、塞がなくてはならない。ここでもたもたしている時間はなさそうだ。















「みんないるかい?!」


ハンジが壁を登っててきた104期の様子を見に行くと、みな登り終えていた。


「…ユミルの件はひとまず後だ。壁の修復作戦を再開しよう。しっかし、現場はもっと巨人だらけだと思ったんだが……」



辺りに巨人がうろついていないのを不思議に思っていると、駐屯兵団の先遣隊がやってきた。


「ハンネスさん!!」


「ミカサ…知り合い?」


「はい…」


「きっと穴の位置を知らせに来たんだ。さて、やるか!!」




ハンジはパンッと、手を叩き気合を入れ、先遣隊が登ってくるのを待ったのだが…





「穴が、どこにもない??」





ハンネスの口から報告された言葉に、一同目を丸くして驚いた。



「夜通し探し回ったが少なくともトロスト区からクロルバ区の間の壁に異常は無い。」



「えぇ!!何だって?!」



「クロルバ区の兵とかち合って引き返してきたのさ。道中巨人とも出くわさなかったが…」



なんとも奇々怪々な話にハンジはグシャリと頭を掻いた。




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