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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第53章 謎と疑惑と真実





「その子は…3年前よりその血族の争いに巻き込まれ、今は偽名を使って身を隠している。その子は何も知らないが…壁の秘密を知り、公に話すことを選べる権利を持っている。今年、調査兵団に入団したと聞いた…その子の名前は………」



「え……」


「あ、あいつが…?!」



ニックの口から告げられた人物の名はあまりにも身近な存在で、エレン達は驚愕する。



「そ、そんな………」



クレアも動揺を隠せなかった。



巨人化するエレンにアニ。

そしてアニの仲間かもしれないライナーとベルトルト。

そして、壁の秘密を託された血族であるという彼女。



みな104期の新兵だ。



トロスト区の襲撃から目まぐるしい程の事件続き。

しかもみな104期の兵士が深く関わっている。



100年の壁の歴史が壊され、壁内の運命は104期の彼らを中心に大きく変わろうとしている気がしてならなかったクレア。

この先に待ち受けている“何か”に、冷や汗が1筋、クレアの頬を伝った。



「彼女を連れてこい。彼女なら我々の知り得ない真相さえ知る事ができるだろう…その上でそれを話すかどうかは彼女次第だが…私ができる譲歩はここまでだ。後はおまえ達に委ねる。」



そこまで言い切るとニックは小さく両手を上げた。



「その子……104期だから今は…最前線にいるんじゃ……」



エレン、アルミン、ミカサ、ジャン以外の104期はローゼ南区の施設で隔離をされ、今は丸腰の状態で走り回っている。

その彼女は壁の秘密についての情報を託されている血族だというのに、現在はどこを走っているかも分からない上に安否も不明。



事態は非常に深刻だ。



「行きましょう!!とにかく現場に急がないと!!」



「ちょっ!ちょっと、待ってよエレン!!その子ってえっと……」



1ヶ月は訓練を共にしていたというのにハンジは被験体の実験に、エレンの巨人化実験の事などで頭がいっぱいで、まだ104期全員の顔と名前が一致していなかった。



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