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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第53章 謎と疑惑と真実





「だ、大丈夫よエレン…!!」



そんなエレンの姿を見たクレアが、思わず口を開いた。




「エレンが巨人化した肉体を硬化させられないという事実はまだどこにもないんだから、絶対にできないって事は無いはずよ。エレンはまだ巨人化できる事に気づいたばかり。ゆっくり実験している時間は無いけど、まだまだ未知の力が宿っていると、私は信じてるから……」




「クレアさん……」




「信じているし、皆エレンの力になるから…」




迷いなく真っ直ぐにエレンを見つめる蒼い瞳は、エレンの胸の中にも希望をわかせ、力を与えた様だ。




「ありがとうございます…もう、わけのわからない状況にはウンザリです!まず、ウォール・ローゼを塞ぐ…そして、ウォール・マリアを塞いだら…地下室だ…!そこに全てがあると言っていた親父の言葉が本当なら、親父の消息の手掛かりも…そこに、全ての答えがあるはずです……」



首からかけた地下室の鍵を握りながら訴える様に呟く。



「そうすりゃ分かるだろう…この怒りの矛先をどこに向ければいいかが……」



この鍵の向こう側には、父親の消息に巨人の謎、全ての答えが必ずあるはずだ。

エレンはその小さな鍵を握らながら自らを奮い立たせると、目的地の1つであるエルミハ区の内門が見えてきた。



「俺と司祭はここまでか…後は任せたぞハンジ。お前らはエルヴィンが決めた即席の班だ。分かってるなアルミン。お前はその調子でハンジと知恵を絞れ。」


「は、はい!!」


「ミカサ…お前の能力の全てはエレンを守る事に使え!」


「はい!もちろんです。」


「…お前が…何故エレンに執着してるか知らんが…自分を抑制しろ、もうしくじるなよ。」



「……はい、もちろんです。」



「クレア……」



「兵長…!?」



自分にも声をかけられるとは思っていなかったクレアは、ピクリと肩を震わせてしまった。



「同行できるのはここまでだ。…死ぬんじゃねぇぞ…」



「は…はい…!!」



これからクレアを含めた即席ハンジ班が向かうのは、壁の破壊場所。どれ程の危険が潜んでるかなど予測不能の領域だ。

できる事ならこの腕に抱いて拭える不安は全て取り払ってやりたかったが、この状況ではそれは無理だ。


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