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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第53章 謎と疑惑と真実





「ふう…やれやれ……急がないと!!」


ハンジがトイレを済ませてクレア達が待ってる場所まで向かおうとすると、突然後ろから声をかけられた。



「ハンジ…といったか……」



「え?!」



振り返ると、声をかけてきたのは意外な人物だった。





───────────────



巨人発見より16時間後…


辺りは真っ暗で、周りの景色を見るには騎乗している兵士が持っている松明くらいしか頼りがない。

運悪く月も所々雲に隠されてしまい、月明かりもまばらだ。



一行はまずストヘス区からエルミハ区へ向かい、壁が破壊されたと推定されるローゼ内の南西へ行く流れになっているのだが…



荷物を積んだ荷台に乗っているアルミンが深刻な表情で口を開いた。


「……いったいどうすれば…いきなりローゼが突破されるなんて…我々に…何か、手が残されているのでしょうか…これからエレンを現場に向かわせたとしても…とてもうまくいくとは思えない……」



そう、トロスト区の攻防戦ではたまたま近くに穴を塞ぐ岩があった。

そして、多くの兵士の犠牲の元に成功したのだ。

犠牲を出さずに壁の破壊場所を見つける事ができても、都合良く穴を塞ぐ岩が近くにあるとも限らない。


やれる事、出来る事をするしかないのだが、一行の向かってる先はぶ厚い雲によって隠されてる月明かりの様に、極めて不明瞭なものだった。



「それに……なぜ…ウォール教の司祭まで一緒に…」



「…………」






不思議に思ったのはアルミンだけではない。

ミカサもクレアも、まだ身体が思うように動かないエレンも同じ疑問を抱いていた。

無理もない。

やっとハンジが施設から出てきたと思ったら、その後ろにはニックが共におり、さも当たり前かの様にハンジはニックを乗せたのだ。


しばらくニックの事には触れなかったアルミンだったが、どうしても疑問に思いハンジに問いかけた。




「あぁ…ニックとは友達なんだよ!!ね〜?!」



「…………」



この状況でそんな冗談が通じるわけもなく、アルミン達は険しい表情のまま、何も言葉が出てこなかった。



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