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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第53章 謎と疑惑と真実





怒りの感情に支配され、ハンジの制止も聞かずにこの小さな手でアニを覆った謎の水晶を砕こうとした。


ペトラを想い、エルドを想い、勇敢にも散っていった兵士達を嘆いての行動だったのだろうとリヴァイには手に取る様に分かってしまったのだ。


そんなクレアを放っておける程リヴァイは冷たい男ではない。


ハンジに頬を叩かれ正気に戻っても、必死に悔しさを押さえながら兵士としての任務を果たしたのだろう。


今すぐにこの腫れた目元を、頬を治してやることができないのが歯痒いが、もう時間もない。




唇を離し、再度強く抱き締めると、リヴァイはクレアを解放した。



「…急に悪かったな。もう行け…」



「は…はい……」



愛しいリヴァイの熱が急に離れていってしまうと、途端に心寂しくなるが、今は時間が無い。


クレアは顔を赤くしたまま階段を下りて行くと、リヴァイはその背中を見送り会議室へと戻って行った。





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「アルミン…ちょっといい?」



地下室の扉を開けると、ベッドにはまだ眠っているエレン、そのエレンの足元にちょこんと座っているアルミン、椅子に座っているミカサに、壁に背中をつけて立っているジャンがいた。



「あ、クレアさん…!!」



「急にごめんね…今から会議なんだけど、作戦を立案したアルミンにも招集がかかったの…今からこれる?」



「は、はい!大丈夫です!!」


アルミンは、ぴょんっとベッドから飛び下りると、急いで靴を履いて出る準備をした。


「クレアさん、俺らはここで待機命令ですか?」


少し疲労のうかがえる表情で、ジャンがクレアに問いかける。



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