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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第53章 謎と疑惑と真実





「あ…ありがとうござい…ます……」



クレアの小さな手を取りハンカチを巻いていくリヴァイ。傷に強く触れぬよう優しく優しく巻いていく。

細かな傷が沢山あるが、大したことはない。
クレアはもう痛くなかった。
それでも痛くならないように、まるで壊れ物を扱うかのようだ。


眉間にシワを寄せている不機嫌な顔とは正反対にその手付きは優しさに溢れている。


そんなリヴァイの行動1つで、ドキドキと胸の鼓動が煩くなってしまうクレアの顔は、熱を上げ、みるみると真っ赤になってしまう。




ーキュッー




「ほら…これでいいだろう。地下にいるアルミンを呼んで来るんだろ?行ってこい…」



最後に手の甲で端を縛ると、リヴァイは早く行けとばかりに手をヒラヒラと振り出した。



「は、はい…では、行って参ります!!」



そんなクールな対応のリヴァイに心臓の音を聞かれたくなかったクレアは、パッと距離を取り敬礼をすると背中を向けて階段を下りようとしたのだが…



ーグイッー



「……!!?」



突然後ろから二の腕を捕まれ引っ張られた。



「え……へいちょ……ん、んん……」



引っ張られた勢いで振り向くと、クレアの目に飛び込んできたのは至近距離まで接近していたリヴァイの顔。

条件反射で目を瞑ると、2つの唇がいともあっさりと重なってしまった。



「……ふぅ……んん……」



唇が重なったまま再度その細い腕を強く引くと、クレアはすっぽりとリヴァイの腕の中に収まってしまった。



リヴァイは自分の腕の中に収まった小さな小さなクレアを力一杯抱きしめる。



「……んん……んん!!」



少し苦しそうな吐息を漏らすが、この腕を緩めてやる気にはなれず、リヴァイは強く抱き締めたまま深く深く口づけた。


リヴァイは、ブレードの刃が粉々になる程クレアが怒り狂った理由になんとなくの想像がついてしまったのだ。


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