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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第53章 謎と疑惑と真実






「…いいか?お願いはしてない。命令した、話せと。そしてそれが無理なら次だ。次のヤツに自分の命とどっちが大事か聞いてみる。」



「………グゥッ!!」



「何にせよ、お前1人の命じゃ足りないと思っている。それともお布施の方がいいか?いくら欲しいんだ?」



ゴーグルを外した目で鋭く睨み、ハンジは更に1歩前へ出る。



「……グァッ!!!」



胸ぐらを掴んでいるハンジの手首を必死に握りブルブルと震える身体がより一層弓なりにしなる。



「……手を…放せ………」



「今放していいか…?」



「今……だ!!今……!!この手を放せ!!!」



ニックは覚悟を決めたのか両腕を広げオレンジ色に染まった空を仰ぐ。




「ひっ…ひぃぁ……お…お前達の怒りはもっともだ。だが我々も悪意があって黙っていたわけてはない!自分の命がかわいいわけでもない!それを証明してみせる!」



「……っ!」



「そもそも私などは酒に溺れて家族を失った。ろくでなしにすぎない…神にすがる事でしか生きられない男だ…そんなろくでなしの口1つされ割れん様では、私以上の教徒にどんな苦痛を与えようと到底聞き出せまい!!私を殺して学ぶが良い!我々は使命を全うする!!」



ニックは頑なに話す事を拒んだ。



「分かった、死んでもらおう!!」



「ぶ!分隊長!!」











「あぁ…か……み…さま………」








仮にも鍛錬をしている調査兵団分隊長の本気の脅しだ。


しかし、涙を流したニックの口からは最後まで神に乞い願う言葉しか出てこなかった。









ろくでなしの口1つ割れん様では到底聞き出せまい…


「……クッソ…!!」


ニックは本気で話すつもりはない。

ここまでか……




ーブンッ!!!ー



ードサッ!!!ー





ここから落としてやる事も可能だったが、ハンジは後ろにいたモブリットのいる方に向かってニックを思い切りぶん投げた。



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