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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第53章 謎と疑惑と真実





「そろそろ…話してもらいましょうか…」



「……何をだ?」



この期に及んでしらを切るとはどういう事だ。

先程の言動でニックがこの壁と、壁の中の巨人について知っている事は明白。

今まで人類のために戦ってきた自分達には聞く権利があると、その場に居合わせた調査兵は、じっとニックを見つめている。


もちろんクレアもモブリットも緊張感漂わせながら、ニックが語りだすのを待った。



「この巨人は何ですか?なぜ壁の中に巨人がいるんですか?そしてなぜ…あなた方は……それを黙っていたんですか?……答えていただきます。」



しかし、ニックは話す気がないのか、ハンジから顔を背けると、数秒沈黙し、立ち上がった。



「それはならん!私は忙しい、教会も信者もめちゃくちゃにされた。貴様らのせいだ。後で被害額を請求する。さぁ…私を下に下ろせ。」



「……………」



何故…


何故黙っている…


何故黙っていられた…


巨人がこれだけの恐怖を人類に与えているのに、何故黙っていられたのだ……



冷静に話をしていたハンジだが、その怒りは計り知れない。



ニックに近づくと、静かに胸ぐらを掴む。



「いいですよ…ここからでいいですか?!」


「!!!」



掴んだ胸ぐらを力任せに壁際へと引っ張り、壁から落とそうとした。



「グッ!!」



「ハンジさん!!」  「分隊長!!」



「寄るな!!」



駆け寄ってくるクレアとモブリットを一喝すると、ハンジは真っ直ぐニックを睨む。



「ふ、ふざけるな…何のマネだ?!」



ニックの背中はなんの支えもない空(くう)の中で仰け反ってしまい、支えとなっているのはハンジによって締め上げられてる胸ぐらだけ。



ハンジがこの手を離せばニックは望み通り、一瞬で下へと下りれてしまう。

“死”というオマケ付きでだ。

しかし、そんな状況でも話す気はなさそうだ。




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