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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第52章 雨






「クレア、エレンはまだ寝てるのか?」


「え、えと…私が医務室を出た時は眠っていました。」


「そうか……」



するとリヴァイは立ち上がり、クレアを横抱きに抱き上げた。



「キャッ!!へ、兵長…??」



そしてそのままソファに座らせると、リヴァイはクレアの上にまたがり、見つめる。



「エレンが寝ちまってるならちょうどいい……クレアには礼と詫びをしなくてはな…」



そう言うと、クレアの両手首をソファに沈めて、首元に唇を付けるリヴァイ。



「んん……ん、ん、あぁん…!!」



首から耳の裏辺りまで舌を這わせれば強く香るキンモクセイの香り。

愛しい香りにリヴァイの中の雄の部分がピクリと反応してしまう。



「兵長…どうしちゃったんですか?い、いけません……こんな所で…」



「あ?エレンが起きたら俺はこのどしゃ降りの中古城まで戻らなくてはならないんだ。この俺を慰めてくれた礼と、まともに話す時間も取れなかった詫びだ。それと……」



リヴァイは押さえつけていた手を解放してやると、今度はクレアの両頬を優しく包み目を合わせる。



「それと…また生きて再会できた事を確認したい。」



「兵長……」


見上げれば、少し目元の赤くなったリヴァイの顔が真剣に自分を見つめている。


訓練では姿を見てはいたが、ずっとずっと離れ離れで寂しかった。
それがクレアの正直な気持ちだ。


いつもならこんな時、自分はただただ恥ずかしがり、リヴァイの思うがままにされていただろう。


だが、クレアはペトラから言われた事を思い出す。




天寿を全うする事のない調査兵。

悔いの残る様な行動をしてはいけない。




まったくその通りだ。

亡くなってしまった先輩兵士であり、良き友人となりたかったペトラ。

そんなペトラが遺してくれた教えを裏切るような事はしたくない。



クレアも両手を上げて、リヴァイの赤くなった目元を優しく撫でると、素直に自分の気持ちを言葉にした。







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