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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第51章 第57回壁外調査





彼らとは班も違えば、壁外調査でも離れて配置される事が多く、そこまで接点が多かったわけではない。


しかし、壁外調査後の幹部が忙しくなる期間はエルドの指揮の元、クレアも訓練に混ぜてもらっていた。


皆、優秀で、頼もしくて、そして何よりとても親しくしてくれた。


特にペトラはフレイアを亡くしてからは気にかけてもらっていたし、年齢が一緒だと分かると尚の事2人の距離は縮んだ。


だからこそ、そんな彼らが死んだなど…信じられなかったし、信じたくはなかった。



「みんな……どうして……」



流れ落ちてしまいそうな涙をグッとこらえてクレアはエレンの身体の汚れを拭き取りながら外傷がないかを確認した。



腕や脚を動かしても骨が折れたような感じはなく、大きな外傷もない。

意識を失ってはいるが、呼吸は正常だ。



ひとまずエレンに大きな怪我がなくて一安心だが、少し前の方を見ると黙ってダスゲニーに乗って走っているリヴァイの姿が見える。



自分なんかよりリヴァイの方が深く傷ついてるはずだ。仲間想いのリヴァイが何も感じないはずない。

だが、自分の感情よりも、兵士長としての立場を優先させエルヴィンには冷静に報告をしていたリヴァイ。

その姿に逆にクレアの胸が締め付けられた。





「………あ、あれ……クレア…さん?」



「あっ、エレン!目、覚めた?」



身体を起こそうとすると、荷台の横を走っていたミカサがすかさずま制止をする。



「エレン!まだ起きてはいけない…安静にして。」



「ミカサ!?それにクレアさん……女型は…?」


「……逃した。」


「何…で?みんな…一体…作戦は…?」


巨人化した影響で記憶が曖昧になってるのか、状況がよくわかっていない様子だ。


「作戦は…失敗した……」


「エレン…今はまだ横になっていて。もう…壁に着くから…」


クレアがエレンを横になるように促すと、再び頭をつけるが、冷静に記憶を辿ると色々と思い出したのだろうか。


エレンのその表情はどんどんと険しくなっていった。



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