第51章 第57回壁外調査
これだけ人数が減っているのだ。
誰かの班長が死亡していてもなんら不思議ではない。
「そ、そしたらジャン…カラネス区までアルミンと一緒に併走してあげて。頭を打ったのに馬に乗るのは危険だわ…」
「はい…分かりました!!」
ジャンはクレアに敬礼をすると、急いでアルミンの持っていた荷物を自分の馬に積み上げた。
他に今すぐ治療が必要な兵士がいなかったため、ハンジの元に戻ろうとしたのだが、2頭の馬がクレアに向かって走ってきた。
鼻を鳴らしながら、首を振りながら走り、少し興奮している。
「お、落ち着いて!!あなた達いったいどうしたの??」
よく見ると、走ってきた馬はリヴァイの愛馬ダスゲニーと、ペトラの愛馬、エルバージュだった。
「ダスゲニー?エルバージュ?いったいあなた達がどうしてここに?」
女型の巨人を捕らえた時、リヴァイはエルヴィンの元に留まり、班員に馬を任せて別行動をとっていたはず。
そして、今頃は合流してこちらに向かっているはずだ。
なのにどうして。
クレアは2頭の手綱を持つと、すぐにエルヴィンとハンジの元まで連れて行く。
「団長!ハンジさん!兵長とペトラさんの馬が…森から出てきたんですけど…これはいったい……」
「えぇ?!」
「……!!!」
もう皆帰還の準備はできている。
リヴァイ班が戻ってくるのを待っている所なのだ。
それなのに何故馬しか戻ってこない。
それも…戻ってきたのは2頭だけだ。
嫌な空気が3人の間に流れたのだが……
ーガサガサッー
「あっ!!リヴァイ!それにミカサ?えぇ?!それとエレン!いったいどうしたの?」
最悪の事態が3人の頭をよぎったが、リヴァイはエレンを抱えて立体機動で森から出てきた。
何故だかミカサも一緒だ。