第51章 第57回壁外調査
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エルド達を探すために、森の中を立体機動で飛び抜けていく。
エレンをかくまうために別行動をとったが、おそらくは信煙弾の合図が確認できる辺りにはいる筈だ。
リヴァイは適当にあたりを付けて探していたのだが…
遠目から何か見えてきた。
「何だあれは……」
木々の間から何かが不自然にぶら下がっている様に見える。
明らかに木の枝ではない。
その自然物らしからぬ物体に、リヴァイの中に嫌な予感が込み上げてくる。
そんな事を、一刻も早く否定したくて急いで確認しに行くが、ぶら下がっていたのは立体機動装置のワイヤーで宙吊りになって死んでいるグンタだった。
「……他の奴らは何処だ…?!」
グンタの首は鋭利な何かでパックリと切られていた。
それは…そう、兵士の持っているブレードの刃で切られた様に…
すると、すぐ下に上半身だけになったエルド、血を流して身体を潰されているオルオ、そして、不自然な姿勢で木の幹に寄りかかっているペトラがいた。
「…………」
リヴァイは彼らの亡骸の側に下り立つと、無惨に変わり果てた仲間を見つめながら考える。
今回は、何の判断が間違っていた。
別行動をとった事だろうか。
あの時、危険ではあったが、女型の巨人がいるあの場所には何人もの兵士がいた。
そして自分もいた。
側で待機をさせていたらコイツらは死ななかったのだろうか…
今更考えても遅いのは百も承知だが、腹の底から苦いものが込み上げてくる。
自分の力を信じても…信頼足る仲間の選択を信じても…結果は誰にも分からない…だから悔いが残らない方を選べ
エレンにも言った、クレアにも言った。
そして何度も自分に言い聞かせてきた言葉だ。
だが、死なせてしまった。
どんなに大事な部下であっても調査兵である以上ずっと死なせずにする方法などない。
特に自分は兵士長という立場なのだ。
危険が伴う確率も高い。
分かってはいるが、エルド達は特に長くリヴァイの側で仕えてきてくれた班員。
リヴァイが何も感じないわけがなかった。