第51章 第57回壁外調査
「お前は確か…色色なやり方で俺の部下を殺していたが…あれは楽しかったりするのか?…俺は今楽しいぞ。なぁ……?お前もそうだろ?お前なら俺を理解してくれるだろ?」
「リヴァイ…ずっと喋ってるけどどうしたの?大丈夫かなぁ……」
いつもより饒舌なリヴァイにハンジも驚いた様だが…
「うるせぇぞクソメガネ…俺だって喋る時は喋る…」
「うっわ!地獄耳!!」
しっかりと聞こえていたようだ。
「……!そうだ…1つ聞きたい事があった。お前の手足は切断しても大丈夫か?また生えてくるんだろ?お前自身の本体の方だ。死なれたら困るからな…」
「スゥゥゥゥゥ………」
「!!」
今まで石像のように固まりピクリとも動かなかったのだが、リヴァイの言った言葉の何かに不都合な事でもあったのだろうか。
女型の巨人は口からゆっくりと息を吸い込んでいく。
その頭の上に立っていたリヴァイはその微かな空気の流れも見逃さなかった。
しかし次の瞬間…
「キャアアアアアアアアア!!!!!!!」
突如断末魔の様な叫び声を上げ、周りにいた兵士達はあまりにもの巨大な声に耳を塞ぎ動けなくなってしまう。
「な、なに……!!」
その爆発音の様な声のせいか、風も吹いてないのに周りの草木は揺れザワザワと不気味に震えだす。
ーバサバサバサ!!!ー
そしてその凄まじい声に本能的に命の危険を察したのか、木々に止まっていた鳥たちが一斉に飛び立ち森から姿を消していった。
「断末魔……ってヤツですか?迷惑な…」
「モブリットさん…ハンジさん……」
モブリットもハンジも耳を塞ぎ困惑している。
「てめぇ…びっくりしたじゃねぇか…」
さすがのリヴァイも驚いた様だ。
だが、そんな中エルヴィンはなんとか冷静に頭を働かせ、考えた。