第51章 第57回壁外調査
「はぁ?!ミカサなんだよ!ボディタッチって!誤解をうむ様な言い方やめてくれよ!」
「でも手首を強引に掴んでた…」
「強引じゃねぇって!!」
「俺も同じくだ…ミカサ、セクハラ発言はあんまりだ…」
「女性に年齢を聞くのはセクハラの一種だと何かの本で読んだ事がある。」
「何だよ!ソレ!!」
ボディタッチだのセクハラだの言われてしまうとジャンやライナーに分が悪くなる。
恐る恐るクレアの上官、ハンジの方を見れば、腰に手を当て何やら言いたげだ。
「何だよ君達…壁外調査を直前にして、有り余る戦闘力が良からぬ方向に暴走しちゃった?まぁ、分からなくもないけど、風紀を乱すような行動は懲罰房行きだぞ!でもその前に!可愛いクレアに手を出すと、懲罰房行きより恐ろしい展開が待ってるぞ!!」
「「ハンジさん……」」
ハンジは104期の男新兵達をぐるりと見やりながら、背筋が凍るような発言をするが、その顔はなんだかニヤニヤとしている。
いったいクレアに手を出すと何が起こるのか。
その続きが皆非常に気になったのだが…
「クレアにちょっかい出すとさぁ、巨人より厄介なリヴァ……グハァ!!!」
「ス、ス、ストーーップ!!!ハンジさん!喋りすぎです!それ以上はやめてください!!」
ハンジが何か良からぬ事を言うだろうとクレアは思ってはいたが、案の定だ。
慌ててハンジに飛びつきその口を塞ぐ。
「う…!!クレア…?どうしたの?く、苦しい…」
「ハンジさん!それ以上はお話しにならなくて結構です。新兵の皆さんもこれから準備で忙しくなるので…み、みんなー!!ゴメンね!何でもないの!本当に何でもないから!!ホラ!カラネス区まで行かなきゃならないから早く準備しよ!!」
「え〜〜〜?!」
言ってやりたかった事を阻止されてハンジは不完全燃焼だ。拗ねる様に口を尖らせ駄々をこねた。