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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第50章 作戦




隣のテーブルを見ると、エルド達もちょうど夕飯が終わった様だ。

それぞれ皿の乗ったトレーを持って立ち上がっている。



「じゃあクレア、私達はお先に!また訓練でねー!!」



「は、はい!!お疲れ様でした!!」



夕飯が済んだペトラ達は古城に戻るため外へと出ていった。



「…………」



ー天寿を全うする事はないー



ペトラの言った言葉がズキリと胸に重く響く。

きっとどれだけ訓練を積んでも、精鋭の兵士になれても、どんなに強くなっても、自分たち調査兵はその自身の身が老化して動けなくなる前に必ず死ぬのだろう。


そして結婚や子供を産んで家庭を持つ事もないのだろう。


そんな自分達ができる事と言えば“今”を謳歌する事くらい。


クレアにとっては真剣にリヴァイと向き合い恋人同士として“今”を謳歌する事だ。


ではペトラは?


自分には想いの通じ合ったリヴァイという恋人がいる。そして自身は過酷な運命と共に生きなければならない調査兵だが、リヴァイの腕の中では何もかも忘れてしまえる程の幸せを与えてもらっている。


でも、ペトラの想い人はもうこの世にはいない。


想いを伝える事も叶わず死んでしまった。


その気持ちは計り知れない。



「ペトラさん……」



ペトラが冗談混じりに口にした謝罪の言葉の本当の意味が分かると、クレアは今の自分がどれだけ幸せなのか思い知る。

そして途端にリヴァイの温もりが恋しくなってしまった。



「兵長……」



小さな声で愛しい名を呼ぶが、時間からしてもう一行は古城に向けて出発してしまった筈だ。


クレアは締め付けられる想いにもう食事が進まなくなってしまったが、まだまだ仕事があるのだ。

なんとか無理矢理口に押し込んで夕飯を終わらせると、風呂に入ってからクレアはハンジの執務室へと向かった。



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