第49章 104期入団
「…つまり…お前が意図的に許可を破ったわけではないんだな?」
ハンジとの会話を聞いていたグンタがエレンに問う。
「ハイ……」
そのか細い返事を聞くと、リヴァイ班の4人は目を合わせ頷くと、一斉に自身の手に噛み付いた。
「えぇ?!」
「み、皆さん!いったい……」
ハンジもクレアもエレンも、まさかの展開に驚愕だ。
「ちょっと…何やってんですか?!」
「いってぇ…」
「これはキツイな…エレン…お前よくこんなの噛み切れるな。」
「俺達が判断を間違えた…そのささやかな代償だ。だから何だって話だがな…」
「…え?」
「お前を抑えるのが俺達の仕事だ。それ自体は間違ってねぇんだからな!調子にのんなよガキ!」
「オルオやめて!!……ごめんねエレン…私達ってビクビクしてて間抜けで失望したでしょ…?でも…それでも…1人の力じゃ大したことはできない。だから私達は組織で活動する。私達はあなたを頼るし、私達を頼ってほしい。」
「ペトラさん……」
「私達を……信じて……!!」
彼らの言葉に行動。
エルド達は、自分に刃を向けたことを詫てくれているのだろう。
そして、エレンは先程リヴァイとした会話を思いだす。
ーかと言って血も涙も失ったわけでもないー
自分が自我を失った時、それを止めるのが彼らの仕事だ。でもその傍ら、ちゃんとエレンを仲間として受け入れようとしてくれていた。
なのに、自分は皆から信用されていなかったと嘆いた。
そんな事実に恥じる想いと同時に胸が痛くなり、ペトラの“私達を信じて”という言葉が深くエレンに突き刺さった。