第49章 104期入団
「…………」
「あ、あの…エレン…?」
少し気の毒になり何か声をかけようと思ったクレアだったが、近くの林からハンジが大声で呼んでいるのが聞こえてきた。
「ねぇー!!クレアー!ちょっとこっちこっちー!!」
「…ごめんねエレン。傷が痛むようならまた声かけて!」
「は、はい!!」
クレアはそう言うと、ハンジ達のいる林の入り口まで走って行った。
「どうしましたかハンジさん?」
「もし巨人化したエレンと医師の疎通ができたらこの林の木を使って小屋を建てたりできないかなぁと思ってね。」
エレンが巨人化できず、リヴァイはイライラとしていたが、ハンジはそうでも無い様だ。
「ハンジさんはエレンが巨人化できなくて焦ったりはしてないんですか?」
「え?私?」
「は、はい…兵長は結構…というかだいぶピリピリしていたので…」
「ハハ…そっか。まぁ確かにエレンが巨人化できなかった事に関しては疑問や焦りもあるけど、イライラしていても何も変わらないからね。他の事考えて気分を変えてるんだよ。」
「ハンジさん……」
「それに、エレンはすでに3度巨人化してるんだ。必ずまた巨人化できると思っているよ。もしかしたら巨人化するには何かしらの要素が揃わなくてはならないのかもしれないしね。それだとしたらまずはそこから探らないとなぁ。」
意外と冷静な判断をしているハンジにクレアは少し見直した。
「もし巨人化したエレンと意思疎通ができたらガタのきてる兵舎を直してもらおうかなぁ…アハハ!!」
しかし、ハンジがそんな冗談を言った時だった。
ードォォォォォン!!!ー
「なんの音?!」
エレン達が休憩している方角から大きな爆発音。
まさかとは思うがエレンが巨人化したのだろうか?
ハンジにモブリットにクレアは、急いで林の出口まで向かって走った。