第49章 104期入団
ーカチャー
「分隊長…!」 「ハンジさん!?」
入ってきたのはハンジだった。
なんだか少し気不味そうな表情をしている様に見えるのは気のせいだろうか。
「やぁ、昨日はごめん…その、取り乱した事とか、寝ちゃった事とか…あと…仕事…」
「「…………」」
頭をポリポリと掻きながらしおらしく謝罪をするハンジ。あまりにもハンジらしくないその姿に2人は軽く寒気を覚えた。
春だというのに雪でも降るのではないかと……
「えと…本当にハンジさんですか……?」
「え、えぇ?!」
「す、すみません…なんだかいつものハンジさんらしく無いと思ってしまって……」
クレアの主張に黙って頷くモブリット。
おそらくこんな姿を見たのは初めてなのだろう。
「もう、なんだよー。私だって反省する時はするさ!!」
腑に落ちずブーブーと言い出すハンジ。
ぐっすりと眠って少しは落ち着いたのだろうか。
「…確かに貴重な被験体を失ったのは堪えたよ…でもだからと言って止まってる暇はないからね!!ってことで!出発準備!!急いで!!」
「え?えぇ?!いったいどちらへ行かれるんですか?」
「決まってるでしょ!エレン達のいる古城!リヴァイが庭掃除だの床掃除だの始める前にエレン捕まえて実験するよ!!ほらほら急いでーー!!」
「「は、はい!!!」」
両手の拳を高々と上げてのけぞり叫べは、良くも悪くもいつものハンジだ。
一瞬見せたしおらしい姿にクレアもモブリットも心配をしたが…
前言撤回。
一気にいつもの調子を取り戻したハンジに振り回される様に2人は書類をまとめてでかける準備を始めた。
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そして古城に到着すると、城の外壁掃除を始めようとしていたリヴァイ班に無理矢理“待った”をかけエレンの実験を申し出たハンジ。
しばしリヴァイと言い合いになったが、結局はリヴァイが根負けした様だ。
今日の予定はハンジの希望通りめでたくエレンの実験となった。