第49章 104期入団
リヴァイ班の班員を全員叩き起こしてすぐに現場へ向かうと、討伐され無残にも水蒸気が上がっている光景が目に飛び込んでくる。
「うぁぁぁぁぁぁ!!!ソニー!ビーン!!どうしてぇぇぇぇ!!!」
「ウソだろ…?兵士がやったのか?」
「あぁ…犯人はまだ見つかっていないって。夜明け前に2体同時にやられたらしい。見張りが気付いた時には立体機動で遥か遠くだ。」
「2人以上の計画的作戦ってワケか?」
「見ろよ、ハンジ分隊長ご乱心だ。」
「ハンジさん……」
野次馬の兵士達の会話に耳を傾けていると、犯行を行ったのは立体機動を使った人間による犯行らしい。
だが、それがどの兵団の兵士なのか、または盗まれた立体機動で犯行に及んだ一般人なのかは不明だ。
「貴重な被験体なのに…一体どこのバカが…」
「バカじゃなかったら何なんだろうな…見当もつかんよ。」
兵士達は騒ぎ、ハンジは乱心。
しかし人間の故意による犯行であれば、ここから先は憲兵団の仕事だ。
そう判断したリヴァイはエレンを連れて早々に立ち去ろうと目配せをするが、エルヴィンがエレンに声をかけ小さな声で問いかけてきた。
「エレン…君には何が見える?敵は何だと思う?」
「…はい?」
いきなりの問いかけに疑問符だらけのエレン。
「すまない…変な事を聞いたな…」
エルヴィンはエレンの戸惑った表情を見るとそう呟き去って行った。
「あぁぁ!!ソニー!ビーン!一体誰がこんな事を…!」
膝をつき頭を掻き毟りながら泣きじゃくるハンジ。
久しぶりの被験体捕獲にあれだけテンションを上げていたのだ。何者かの犯行により殺されたとなると、その心は計り知れない。
「ハンジさん……」
とても見ていられなくなり、ハンジの側に駆け寄ろうとしたその時だった。
「クレア、君には何か見えるか?」
「だ、団長…?」
「敵は何だと思う?」
「あの…それは……」
エルヴィンはエレンにした問いかけをクレアにも投げかけた。