第49章 104期入団
「分隊長!お待ちください!分隊長が全く手をつけてなかった事務仕事が大変な事になってます。まずこれらを終わらせてから次の行動に移ってください!」
「無理だよー!だって私、まだエレンと全然話できてないんだもん。エレンの実験計画書もできたし、今ならまだ遅くならないうちにあの古城跡まで到着できるから今すぐ行きたいんだ。悪いけど、それはモブリットに任せた。ほらクレア!レッツゴー!!」
「分隊長……!!」
モブリットの制止もきかずにハンジは引きずるようにクレアを連れて行ってしまった。
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すっかり日が暮れると、リヴァイ班のメンバーは古城の大掃除を終えひと心地ついていた。
「我々への待機命令はあと数日は続くだろうが、1ヶ月後には大規模な壁外遠征を考えていると聞いた。それも今期の新兵を早々に混じえると…」
「エルド…そりゃ本当か?ずいぶん急な話じゃないか。毎年新兵の初陣は夏頃だろ。ただでさえ今回の巨人の襲撃は新兵には堪えただろうによ。」
エルドの話にオルオもグンタもペトラも驚きを隠せなかった。
「本当ですか兵長?」
「作戦立案は俺の担当じゃない。ヤツの事だ…俺達よりずっと多くの事を考えているだろう……」
「確かに…これまでとは状況が異なりますからね…」
エルドの言葉に皆小さく頷く。
もうトロスト区からの出発かできなくなっただけでなく、多大な犠牲を払って進めてきたマリア奪還ルートが、超大型巨人の襲来で一瞬で白紙になったのだ。
今までと大きく状況が異なる。
カラネス区の壁門からまた補給ルートを模索しなければならなくなったのだ。
巨人化できる人間に、早急に必要とされる新たなマリア奪還ルート。
今回行われる壁外調査は、例年通りのタイミングでとはいかない様だ。