第49章 104期入団
「あれ?エレン?なかなか戻ってこないと思ったらここにいたのか?」
「あっ、エルドさん…す…すみません…役に立たなくて…今、兵長見つけました。」
運良くエレンのピンチはリヴァイ班のメンバーが厩舎にやってくる事によってなんとか切り抜けられた様だ。
「お前らも、準備はできたのか?」
「は、はい!」
すると、リヴァイはダスゲニーを馬房から出すと、エレンにも準備をする様に命じた。
「ペトラ、ダスゲニーの馬装を頼む。俺は荷物の最終確認だ。エレン、お前もフェリオを馬装させてすぐに出発できる様にしておけ。」
「はい!」 「はい!」
合流したリヴァイ達は、それぞれの準備が終わるとすぐに出発してしまった。
「はぁ…行っちゃった……」
クレアはデイジーの額を撫でながら少し名残惜しそうにため息をつく。
「でも、ちゃんとお見送りもできたし…私も頑張らないとね…」
そろそろ厩舎も朝食を終えた兵士達で賑わってくるだろう。クレアはボロをまとめた一輪車のハンドルを持って所定の場所に捨てに行こうと思ったのだが、その時だった。
「クレア〜〜〜!!!」
「ん…?ハンジさん…?」
よく知る人物がクレアの名を呼んだ。
声からしてかなりテンションが高いことが伺える。
「やっぱりここにいた!!クレア!今日は訓練中止ー!!やっぱりソニーとビーンの実験やりたいからここ終わったらすぐにきてー!!」
「ハンジさん…“今日は”ではなく“今日も”ですよね…?」
「アハ、アハハハ!!そうとも言う!」
「とも言う、じゃありません!」
クレアの突っ込みに苦笑いで誤魔化しながらハンジは強引に話を進めた。
ソニーとビーンとは先日のトロスト区掃討作戦で捕えた巨人の名前である。
4m級をソニー、7m級をビーンと名付けられたようだ。
ちなみに名前を決めたのはハンジだ。