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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第48章 嫌疑と再会





「できるのかリヴァイ?」



「殺すことに関して言えば間違いなく…問題はむしろその中間が無いことにある…」



リヴァイも今が好機とばかりに答えるが、殺気漲る視線を感じて顔を向けると、そこにはエレンの馴染みのミカサ・アッカーマン。

エレンを蹴り飛ばしたことに意見をしたそうな表情をしていた。



「議論は尽くされた様だな。ここで決めさせてもらおうか…」



流れは調査兵団が握った。

そう思ったエルヴィンとリヴァイだったが、しぶとくもナイルが口を挟んできた。


「お待ち下さい…」


「…チッ……」


余計な事を言ってくれるなよとリヴァイは盛大な舌打ちをする。



「エルヴィン…聞きたい。内地の問題はどうするつもりだ!」



「我々の壁外での活動が人類の安定から成り立っているのも理解している、決して内地の問題を軽視してはいない。そこで提案があります。事態の沈静化を計るために、次の壁外調査でエレンが人類にとって有意義である事を証明します。その結果で今後を判断して頂きたい。」



「ほう…壁外へ行くのか……」



エルヴィンの言う通り、壁外調査でエレンが有意義な存在である事が証明されれば、壁内の沈静化にも繋がり、更に言えばウォール・マリア奪還も遠い未来の話ではなくなる。


住む所を失くし、仕事も失くし、食う事に困った挙げ句に税金は上がる一方。


今回の件で民の不安も不満も爆発寸前だろう。


それらを速やかに解決できるかもしれない力を秘めているのであれば、エレンの存在を全て否定する事はできない。



「決まりだな…エレン・イェーガーは調査兵団に託す。しかし…次の成果次第では再びここに戻ることになる。忘れぬ様に…これにて閉会。」



ザックレーは閉会と言うと、すぐに席を立ち部下を連れて退室して行った。

他の兵団の者も、エレンを冷ややかな目で見つつも、リヴァイの言葉が効いたのだろう。

もう野次を飛ばす者はいなかった。



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