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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第48章 嫌疑と再会






「あっ………」


しかし、遮断されていた聴覚はある人物の登場で、再び周りのざわめきを聞きとり始める。





「さぁ…始めようか。」




エレンが跪いている真正面に設置された立派な空席に腰掛けた人物。



ダリス・ザックレー総統だ。



再び聴覚が働き出したエレンはハッと我に返り正面を見つめる。


目の前にいるのは3つの兵団のトップだ。


そこでエレンはふと疑問が頭に浮かんだ。





いったい今から何を裁くのか…と。





「エレン・イェーガー君だね?君は公のために命を捧げると誓った兵士である…違わないかい?」


ザックレーは手元の資料に目を通しながら問いかける。


「はい…」


「通常の法が適用されない異例の事態だ。決定権は全て私に委ねられている。それ故、君の生死も…今一度改めさせていただくよ。」


書類に顔を向けたまま視線だけをエレンに向けたザックレー。



「異論はあるかね?」



自分の生死を裁かれる兵法会議…

自分だって何故こんな事になったのか分からない。なりたくて巨人化したわけでもない。それなのに自分の生死は今、各兵団の意見と、目の前にいるザックレーによってその運命が決まってしまうというなんとも理不尽な展開だ。

自分は壁内で巨人から逃げるような生き方だけはしたくなかった。巨人を自らの手で殲滅し、巨人によって奪われてしまった領土を奪還したいとずっと思っていた。その憎き相手だった巨人のはずが、自分もその巨人の1人だったという事実。

しかし、エルヴィンは言ってくれた。

自分の意志が「カギ」だと。

破壊されたウォール・マリアを塞ぐには自分の巨人の力が必要だと。



何もせず黙ったままでは自分の志もろとも待っているのは「死」のみだ。
この状況をひっくり返したければ、どれだけ自分がこの絶望から人類を救い出す「カギ」となるのか、ここに居る人間達に理解させねばならない。



「ありません……」



選べる道は1つのみだった。



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