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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第48章 嫌疑と再会




幼き頃のエレンしか記憶になかったクレアだったが、審議所に入ってきた少年は、確かに自身の記憶に残る少年の面影を持っていた。

背も伸び、顔も少し大人っぽく成長していたが、少年時代の面影もしっかりと残っていた。


「…………」


そんな事を考えていたら、エレンは審議所中央の、数日前までは証言台があった場所まで連れて行かれ、跪く様命令された。

すると、後ろで施錠されている鎖と背中の間に重々しい柱が立てられ自由を奪われた。

証言台はエレンを拘束したまま尋問できる様に撤去されたのだとクレアは瞬時に理解した。


「エレン……」


自分の知っているエレンはよく笑いよく話し、色んな事に興味のある少年だった。
絵本を読んでやれば満面の笑みで喜び、簡単な勉強を教えれば真剣な顔をしてクレアの話を聞いていた。


だからこそ、こんな扱いを受けなければならないエレンに対して胸がギュっと傷んだ。











一方エレンは何も分からないまま開かれた扉の中へ入ると、そこは明らかに裁判を執り行うであろう造りの部屋だった。

おそらく此処は審議所。

自分は審議所の地下牢にずっといたのかと理解すると、その中央に跪く様に命じられ、背後に柱を立てられると身動きが取れなくなった。



傍聴席には各兵団の兵士を中心にすし詰め状態だ。



エレンは視線をグルリと傍聴席を見回した。




憲兵団のトップに

ピクシス司令……


それに……

ミカサとアルミンまで……



自分の過去を知る者は審議にかけられたとエルヴィンから聞いていたが、色々と尋問を受けたに違いない。

自分を守るために命を落とすかもしれなかったあの時の状況を思い出すと、言葉には言い表せない感情が込み上げてくる。


しかし、エレンが驚いたのはそれだけではなかった。


傍聴席にはつい数日前に会ったエルヴィンとリヴァイの姿も確認できた。
これだけ各兵団のトップが揃っているのだ。

エルヴィン達がいてもなんらおかしくは無い。

しかし、エレンはリヴァイの隣にいる人物が視界に入ると、一瞬にして耳から入ってきていた雑音が消えた。



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