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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第48章 嫌疑と再会





その頃、エルヴィン達は傍聴席でエレンが審議所に入室してくるのを待っていた。


「………」


つい数日前には自分が審議にかけられていたのだ。
そのため、今度は傍聴席にいる自分に若干の違和感を覚えたクレア。



しかし、証言をさせられた囲いの中に、先日まであった証言台がない。

何故ないのだ。何故撤去させられたのだ。

クレアの頭は疑問符だらけだった。




「遅いな…ったくあのクソメガネは何をしているんだ…」


隣にいたリヴァイが少し苛立っている。


「ハンジさん…何か語りだしてしまってるのでしょうか…」


「さすがにそれは無いだろう…ハンジもエレンを一刻も早く調査兵団に連れて帰りたい筈だ。」


「団長……」


横からエルヴィンが爽やかな笑顔でクレアに答えた。苛立っているリヴァイとはまったく正反対だ。


「そ、それにしても団長も兵長もエレンに会っているのですよね?エレンはどんな男の子でしたか?」


「はぁ…?」


クレアの記憶の中に残っているエレンは、幼い少年の姿だった。

ミカサと一緒に暮らすようになってからは一度しか会っていないため、記憶の大部分は少年時代のエレンだ。

もう最後に会ってから5年以上たつ。

どんな姿に成長したのか、別の意味でクレアはエレンの入室をドキドキしながら待っていた。


「別に…ただのガキだ…」


「そ、そうだったのですか…?」


「だが…あれだけの惨劇を目の当たりにしても、巨人をぶっ殺したいという意気込みだけは失わなかったヤル気だけは1人前だったな。」


「………」


リヴァイは“意気込みだけ”は悪くないと評価した様だ。









ーバタンー


すると、審議所中央の扉が開き、黒髪の少年が憲兵2人に囲まれ中に入ってくる。


「みんな、やっと審議始まるね!!」


それと同時にハンジとミケもエルヴィンの元に戻ってきた。


「エレン……」


5年以上ぶりの再会にクレアの全身に緊張が走った。



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