第8章 近づいちゃだめー
一期「主・・・そろそろ素直になられてはいかがですか?実は・・・三日月殿には黙っているように言わたのですが・・・先日の出陣で、主!・・・行ってしまわれた」
《出陣》と聞いたとたん審神者はサーっと顔を青くし一期の話を最後まで聞かず部屋を飛び出していってしまった
苦笑いを浮かべ、一期はゆっくりと審神者の後を追うように部屋を退出する
一期「意地を張らずに素直になられたらよろしいのに」
審神者『(嘘・・・どうしよう・・・三日月・・・せっかく逢えたのに、せっかく思い出したのに、私がグズグズしてたから・・・やだ!)三日月!何処を怪我したの?なんで手入れ部屋に来ないの?服を脱いで!』
三日月「主・・・いきなり来て《脱げ》とは・・・大胆だのう」
部屋にいた薬研を見てさらに動揺した審神者は、三日月の正面に座って服の合わせ目を掴み脱がせようとする
三日月はいつものように、はははっと笑って見せるが、どうやら審神者には全く聞こえてないらしい
審神者『私が手入れするの、嫌なの?私のこと・・・そんなに嫌い?』
怪我を見せようとしない三日月に、審神者は悲しくなってぼろぼろと大粒の涙を流してしまう
審神者『何処にも行かないで・・・三日月・・・ここにいて・・・ずっと私のそばに・・・』
三日月の首にしがみつきわんわんと泣く審神者に、部屋にいた薬研とあとから来た一期は《やれやれ》と肩をすくめた
薬研「三日月、手は出すなよ」
一期「廊下にて待機しております。お話が終わりましたらお呼びください」