第8章 近づいちゃだめー
薬研(何を企んでる・・・しばらく要注意だな。乱たちにも注意するよう言っておくか)
三日月の思惑に全く検討のつかない薬研は、首を傾けながらものんびりとお茶を飲む三日月を観察していた
その日から、三日月は自室にこもり本丸内で見かけなくなった
審神者『ねえ、一期。///み、三日月はどうしてる?』
一期「《どう》とは?別段いつもとお変わりありませんが」
ほんのりと頬を染めた審神者が可愛らしい
審神者『///そ、そう!それならいいの。最近縁側で鶯丸とお茶もしてないみたいだったから・・・べ、べつに気になったとかそんなんじゃないから!』
初めのうちは三日月と顔を合わせるのが恥ずかしくて避けていた審神者だったが、そこは恋する乙女、姿は見たいのだ
ところが、本丸の何処にも三日月の姿が見えないのだ
遠征にも出陣もしていない
かといって、傷を負って手入れ部屋にいる訳でもない
みんなには恥ずかしくて聞けなかったが、今日の近侍は一期一振
思い切って聞いてみたが何の変わりもないとの返事
審神者(私が避けていたから嫌われちゃったのかな・・・)
ふと思いついた考えに涙が溢れてしまう
一期「主?どうなされました?」
黙り込んでしまった審神者を心配した一期が顔を覗き込んでくる
審神者『///な、なんでもない・・・あ・・・』
首を振った拍子にこぼれ落ちる涙