第8章 近づいちゃだめー
三日月「薬研・・・どういうつもりだ・・・」
以前とは反対に、今度は三日月が薬研を問い詰めていた
薬研「は?なんの事だ、三日月。俺は何もしてないが?」
審神者が政府から帰ってきた日から、審神者の周りには常に短刀達が群がり、三日月の周りにも常に誰かがいる
三日月が審神者に近づこうとすると必ず誰かが邪魔をしてくるのだった
三日月「なぜ俺の邪魔をする。皆主に《アタック》しておるというのに、俺だけ除け者だ」
珍しく不機嫌丸出しの三日月は眉間にシワを寄せている
薬研「そうは言ってもなー本当に何もしていないんだが」
避けているのは審神者本人
さすがにそれを三日月にばらすのは気が引けて、みんな黙っているのだった
小狐丸「ぬしさまは本当に可愛らしい。毎日あのお姿を見るだけで心がほっこり致します」
鶯丸「姿が見られるだけでも幸せではないか。なあ、大包平」
大包平「お、俺は・・・この本丸に来て日が浅いが、毎日主のあの笑顔を見るだけで幸せな気分になる」
三日月「《姿を見るだけで》のう・・・うむ、それは良きことを聞いた」
にやりと笑った三日月に、今度は薬研の眉間にシワが寄った
薬研「・・・何をする気だ、三日月。大将の嫌がること「いや何もしはしない。何も、な」
薬研の言葉を遮った三日月は、いつもの飄々とした掴みどころのない笑みを浮かべている