第7章 目覚めた恋心
本当は少しだけ怖かった
強がった心を見透かしたように優しく抱きしめてくれる一期
本丸のみんなは優しいから、《好き》と言ってくれても嫌がることは絶対にしない
一期に余計な心配をかけてしまったと反省する審神者だった
一期「主・・・明日は少し私に付き合って頂けないでしょうか?」
審神者『ん?別に構わないわよ。朝一で抜け出しちゃいましょう』
煩わしい政府への対応はこんのすけに任せることにし、審神者と一期は日が昇ると同時にホテルを抜け出した
審神者『ここは・・・』
一期「東京国立博物館・・・主が何度も恋した刀が展示してある博物館です」
薬研から審神者の想い人が三日月だと聞いた刀剣達は、審神者を三日月本体に会わせようと話し合った
思い出さないものをわざわざお膳立てすることもない、とは全員が思ったが、結局審神者の笑顔が好きなのだ
憂いを含んだ笑顔より屈託のない笑顔を
審神者『だ、だけど私もう18歳よ?その刀の事がわからないかもしれないし、おまけに恋なんてしないかもしれないじゃない。一期!なんで笑ってるの?!』
一期「申し訳ありません。わからなければそれでいいじゃないですか?主は刀に恋をしないで、人の姿を得た私たちに恋をしてください。私達は皆主の事が好きです。誰を選んでも強くて優しい者ばかりですよ。もちろん私も主の事をお慕いしております。さあ行きましょう」