第6章 三日月の秘密
薬研「いち兄・・・どうしたんだ?そんな格好して」
審神者『///じ、実はね、3日後に行われるパーティーに出席するようにって、政府から連絡が来たの』
薬研「3日後とは・・・やけに急だな」
審神者「手違いでいくつかの本丸に書類が届かなかったみたいなの。一緒に行く刀剣の申請がない本丸がいくつもあって、それで初めて連絡ミスが発覚したんだって。一期にはエスコートもお願いしたから正装してもらったの。格好いいわよね』
刀剣が政府の建物に入るには事前の申請が必要だった
政府の駒である刀剣だったが、政府は全面的に刀剣を信用してはいないのだ
刀剣を《物》として扱うのに、政府に反逆を起こす《者》として扱う
矛盾した対応にうんざりするが、改めて意見する気も反抗する気もない審神者はそこには一切触れないでいた
薬研「ふーん、いち兄がボディーガード兼エスコート、ねえ・・・」
不満そうに薬研は一期を見上げる
一期は皇室御物なだけあって、物腰が柔らかで品があり、おまけに剣術だけではなく体術も多少心得がある
ボディーガードにはうってつけなのだ
何より、ボディーガードだけならともかく、エスコートとなると薬研では身長が足りない・・・
どうしようもない決定打に薬研の眉間のシワが深くなった