第6章 三日月の秘密
三日月「だが今度は、主が俺を見ても恋に落ちぬ。前世の記憶があっても《三日月宗近》を思い出さぬ。俺が顕現したことで同じ輪廻を繰り返さなくなり、審神者となったことで刻が止まってしまったのだろう・・・」
憂いを帯びた艶やかなため息をつき、三日月は月を見上げる
薬研「そうか・・・天下五剣の三日月でも無理な事があるのか・・・三日月にとっては不運でも、俺たちにとっては幸運だな。んじゃ、まあ、正々堂々と大将にアタックするとするか」
三日月とは正反対に薬研は嬉しそうに笑った
三日月「そこは老い先短いじじいに譲ってやろう、とは思わんのか?」
???『誰が老い先短いの?千年も生きて今更老い先も何もないでしょう?私からしたら薬研だって十分過ぎるほどおじいちゃんなんだけど』
薬研「大将・・・それはないぜ。俺はこの通り、可愛いショタだぜ?それより大将、何でそんな服装なんだ?」
振り向いた先にいたのはちょうど話題にしていた本人
薬研は誤魔化すように審神者の会話をそらした
三日月「ほお、これは美しいな。どうだ主よ、一緒に月を見ながら酒でも」
審神者の服装は柔らかな桜色のイブニングドレス
腰まである艶やかな黒髪がさらに艶やかさに色を添えている
審神者『///ありがとう、三日月。薬研、可愛いショタはお酒なんてのみません。だけど・・・相変わらずサマになってるわね』
ほんのりと頬を桜色に染め、審神者は三日月と薬研の間に座った