第5章 隠された想い
和泉守「だが、三日月は別だ。あいつには絶対に近づくな。いつもじじいのように縁側で茶を飲みながら笑っているが、何を考えてるか全く見当もつかねえんだ。油断してると《ははは、この茶菓子はうまいな》とか言いながらパックリ食べられちまうぞ。流石天下五剣、練度も格段に上がってる」
甘く優しい言葉が一変剣を帯びる
審神者『乱ちゃんも同じこと言ってた。大丈夫、ちゃんと気をつけるから心配しないで。確かに練度は一気に上がってる。やる気になったのは嬉しいけど、頑張り過ぎて怪我はやだな〜・・・でも、兼さんがべた褒めするなんて珍しいね。案外三日月のこと気に入ってる?』
胡座を組んだ間に背中を預けて座り直した審神者は無邪気な笑顔を向ける
和泉守「///オ、オレは別に褒めてなんて・・・か、からかうと本当に襲うぞ!」
クスクスとからかう審神者を後ろから抱きしめ頬に口づける
審神者『///か、兼さん!!』
和泉守「からかったお返しだ。あー今日は良い日だな〜天気は良いし、主は抱き心地良い。誰も帰って来ねえってのが一番良いな〜」
和泉守「主?寝ちまったか・・・これで《警戒してる》ねえ?襲われても文句言えねえだろ。一応オレも本気で惚れてるんだがなあ」
膝の上でスースーと寝息を立てる審神者に苦笑いしてしまう
ため息をつきながら褥に寝かせて部屋を出て行く
和泉守(あ〜やっぱり勿体無かったかな〜)
寝顔をチラッと見た和泉守は少しだけ後悔しながらも襖を閉めた