第5章 隠された想い
三日月「・・・さて、護衛がかなり手強そうだが、本気を出すとするか」
優しい声音は短刀たちがいれば泣き出しそうなほど鋭いものを含んでいた
乱「まったくも〜じじいのくせに油断も隙もないんだら!あるじさんも三日月には油断しちゃダメだからね!あるじさんなんて《ははは、この茶菓子はうまいな》とか言いながらパックリと食べられちゃうんだからね」
ぷんぷんと可愛いく頬を膨らませながら、乱は審神者の手を引っ張る
審神者『そんなわけないじゃない。こんな小娘、相手にするほど三日月も物好きじゃないわ。だいたい、私まだ18歳よ?三日月や乱ちゃんからしたらまだまだ赤ちゃんじゃない。ないない』
クスクスと可笑しそうに笑う審神者には危機感が全く無い
乱「あるじさん・・・それ、本気で言ってる?たとえ18歳の小娘でも見た目は大人の女性だし十分魅力的なんだよ?ボクたち短刀が交代で一緒に寝てるの、なんのためだと思ってんの?薬研兄さんやみんなが言っていた《好き》っていうのはそういう意味だからね」
審神者『ん〜だけど私もみんなのこと大好きだし・・・よかった!両想いね!』
ニコニコと断言した言葉に頭を抱えてしまう
乱(た・か・ら!好きだけど、そういう好きじゃないの!)
意外と鈍感な審神者に呆れてしまう
乱「とにかく!三日月には気をつけて。蛍丸以外の打刀以上もね。これは絶対に守ってよね!」
審神者『あいわかった。いたっ』
ビシッと人差し指を立てた乱が可愛くて、三日月の真似をすれば頭を小突かれてしまった
乱「あんなじじいの真似はしないの! 」
審神者(それにしても・・・あんなに真剣な表情の三日月、初めてかも・・・何が言いたかったのかな・・・)