第4章 動き出した刻
山姥切「大丈夫だ。そんなに不安なら・・・『きゃあ!』
目隠しされたまま突然抱き上げられ、恐怖のあまり山姥切の首にしがみついた
山姥切「落としたりなどしないが、しっかりしがみついていろ」
審神者(こ、これは俗に言う《お姫様抱っこ》だよね。///恥ずかしい・・・)
乱「ヒュー、やるじゃない山姥切」
恥ずかしくても目隠しをされたままでは身動きが取れなくて、審神者は顔を隠すように山姥切の首元に顔を伏せた
山姥切(!!///)
周りの短刀たちにからかわれながらも、山姥切は審神者を怖がらせないよう出来るだけ静かに歩いた
堀川「お姫様抱っことは、兄弟も大胆なことしますね」
からかうような堀川の声に審神者は少しだけ顔をあげた
審神者『堀川くん?それに・・・みんなもいるの?』
耳を澄ませばガヤガヤと沢山の話し声が聞こえてくる
山姥切「ああ、全員揃っている」
堀川「主さん、もう大丈夫ですよ。目隠しを今外しますから」
そっと地面に降ろされるが、不安で山姥切の首から離れられないでいると堀川に目隠しを外された
審神者『え?』
目の前の光景に目を見張った
目の前に広がるのは淡くて優しくて暖かい色
審神者『桜・・・咲いたんだ・・・』
いつのまにかそこにあった桜の巨木
この3年間一度も咲いたことのなかった桜が今満開で咲いている
堀川「不思議ですね。今朝まで花どころか蕾さえもなかったのに。まるで主さんの誕生日を一緒に祝いたいって言ってるみたいですね」
パンッパンッ!
審神者『な、なに?』
突然の爆音に再び山姥切にしがみついてしまう
「「「お誕生日おめでとう、主、あるじさん、主君、大将、あるじさま」」」
みんなの声と一緒にクラッカーの紙吹雪が舞い散った