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第零世界「メレンス」ースカ―ヴァイス・フィレアの章 始記

第4章 第四章「第八深淵少女」


「竹華ちゃんに書くから、それに合った内容の方が良いの?」
「うーん...。私はそれで書いてるけれど、やっぱり人それぞれになるのかな。でも、挙げるとしたら沢山あるよ。例えば、日常生活を送っていて感じたことを詩にするとか、水月ちゃんの場合だったら、竹華ちゃんとの思い出を詩にするのも良いかもね。」
水月ちゃんは、何か思い付きそうなのか、机の紙に釘を打って固まる。
「じゃあ、昨日の遊園地の事を書こうかな。」
そう、澄み切った表情で話す。水月ちゃんの中では、既にある程度の題材が決まり、揃っているのだろう。それに対して頷き、少し内容を整理した後にもう一つ新しい紙を取る。私は、その紙の中心に『遊園地』と書いて丸で綴じる。
「そうだね...。今、水月ちゃんが思い浮かべている事を、一旦紙にまとめてみよっか。」
さらに先程の丸に、四方に広がる直線を加えてから、水月ちゃんに手渡す。
「この紙に、水月ちゃんの思う遊園地を書いてくれないかな? 例えば、遊園地と言ったら観覧車とか、楽しいとか、そんな事で全然良いから。」
その丸に、多方向に伸びる直線を付け加えて、水月ちゃんに手渡す。
「連想ゲームでは無いけれど、水月ちゃんの思う遊園地から連想できる言葉を、紙に書いていってくれるかな?」
水月ちゃんは、受け取った紙を机に置いて、文字通りに紙の上でペンを躍らせるように、次々と関連する言葉を書いていく。
「じゃあ、大体書き終わったら教えるから、それまでフィは手紙の続きを書いてて良いからね。」
そう、楽しそうに書きながら話す。
「うん。じゃあ、そうするね。」
私は、既に竹華ちゃんへの手紙は書き終えていたから、書いているふりをしながら、水月ちゃんを横目で見守る。蜘蛛の巣状に埋まっていく紙を、私は目を凝らして中身を見ていると、昨日の出来事の他に、やはり竹華ちゃんとの思い出が多く記されていた。猿夢の時に確か、何回も行った事を話してくれたかな。笑顔で話してくれた話。私がもう少し早くに対応していれば、細かく何度も確認していれば、輪をつくって話す事も出来ただろうに...。
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