第零世界「メレンス」ースカ―ヴァイス・フィレアの章 始記
第4章 第四章「第八深淵少女」
少しの時間が過ぎた頃に、リア姉から聞く話がある事を思い出す。
「まあまあな時間眠っていたから暫く眠れないし、お風呂で聞く筈だった話してくれない?」
「えっ...まあ良いけど、眠たかったら寝て良いんだからな。」
リア姉は、急に私に顔を寄せてきた為、つい身を引いてしまった。
「...どうしたの?」
そう問い掛けると、更に顔を近づけてきては、私の頬に温かみのあるものを触れさせた。
「別にいいだろ、姉妹なんだから。」
などと、リア姉は意味の分からない事を言って誤魔化そうとした。
「だったら、私少し後ろに下がるから、お布団に入ったら? あっ、後水月ちゃんを上に運んでくれるかな。そんな所で寝させたままだと、身体を痛くさせそうだし風邪引いちゃうからね。」
リア姉は、何故か戸惑った様子で頷き、水月ちゃんを抱え上げた。私は少し後ろに下がり、水月ちゃんが寝る事の出来る場所を空けた。
「じゃあ、ここに寝かしてあげて。」
そう言って、私の右側の空いている場所の布団の上を叩いた。
「ん、右隣で大丈夫なのか?」
「うん、ここで良いよ。」
リア姉は、水月ちゃんを横向きに抱え直し、布団へ下ろす。その時に水月ちゃんの頭がだらんと下がっていた為、危ないと思い自身の身体を起こして支えるのを手伝った。
「これで良いか?」
そうリア姉に訊かれ、私は静かに頷いた。リア姉が下ろすの確認してから、私はリア姉に合わせるように枕に頭を優しく乗せた。安心して私は水月ちゃんの傍に寄ると、眠っている水月ちゃんは何かを感じ取ったのか、私の方に身体を向きを変えて近付いてきた。
「ふ、...よしよーし。」
私は水月ちゃんを抱擁し、優しく頭を撫でる。竹華ちゃんの事は、水月ちゃんが目を覚ましてからでも良いだろう。そう言えば、まだ簪を水月ちゃんから返してもらっていなかった。それも明日でも良いか。
「それで話ってどんな事?」