第零世界「メレンス」ースカ―ヴァイス・フィレアの章 始記
第4章 第四章「第八深淵少女」
「じゃあ、無事解決って事で良いのか? だったら、しっかりと休めよ。少し疲れているみたいだし。」
正直、これを解決と言って良いかは分からないが、依頼された内容は熟したから問題は無いと思う。余り他の世界に、関りを持つ必要は無いだろう。
「うん、ありがと。」
そう、リア姉に微笑んんで頬に軽くキスした。
「あっ、リアさん戻られたんですね。それじゃあ、ご飯にしますよ。」
その声に視線を変えると、緑針さんと水月ちゃんが木の盆に料理を沢山載せて、部屋に入って来た。それを見て、重たそうに持つ水月ちゃんの元に駆け寄ろうとしたが、後ろから誰かに腕を引っ張られ、動かす足を止めた。
「フィ、後で少し話があるんだが時間あるか?」
振り返ると、神妙な表情で語り掛けるリア姉が、片足を膝付いて立ち上がろうとしていた。
「うーん...。風花ちゃんと遊ぶ約束してるから、寝る前でも良い?」
そういう事情だという事を説明すると、リア姉は少し表情を崩した。
「あぁ、全然問題無い。」
リア姉は、私の頭に軽く手を添えると、綺麗に料理が並べられた円卓に歩いて行った。それに少しばかり腹が立ったが、余り気に留めない事にした。
「フィー早くーっ。」
水月ちゃんは、紺の座椅子を手で叩き、隣に座るように催促する。円卓に目を移せば、色鮮やかな料理が並べられていた。昼食を抜いていた事を思い出すと、一層食欲が掻き立てられる。
「うん、今行くねっ。」
私は、そう笑顔で返事をした。
「あっ、フィレアさん待って。」
風花ちゃんは、私の手を取って身体を寄せた。この小さな温かみのある手。こういうのを、お姉ちゃんになった気分と言うのだろうか。
「ごめんね。うん、一緒に行こうね。」
...まあ良い。早く、水月ちゃんの所に行くとしよう。