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第零世界「メレンス」ースカ―ヴァイス・フィレアの章 始記

第1章 第一章「乖離的慣性の法則」


「最初は、人並みに大人しかったので、お嬢様の話を交えていたんですが、時間が経て
ば経つ程活発になってきて...。」
「でも、打ち解けれて良かったね。流石ミシアちゃんっ。」
「お嬢様、それはお褒めになってるんですか...?」
水月ちゃんは、私たちのやり取りに気分良さそうに笑っていた。
「皆さん、そろそろお開きにするので、戻って来てもらっても良いですか?」
私たちは、司会の人に深く頷いて部屋に戻る。中ではかなり盛り上がっていたのだろうか、疲れた様子が見て取れた。私たちが席に戻ると、司会者が再び立ち、締めの挨拶を述べて、この饗宴会は終わりを告げた。

 饗宴会も終わり、熱気も冷めて人影も減っきて、参加者の多くは帰りの途に着いた。
「フィレアさんたちは、先にお風呂入っちゃって下さい。私たちが片づけを済ませておくので。流石に今回の主役に片付けをさせるのは、こちらの気が治まらないので。」
「じゃあ、お言葉に甘えさせて頂きますね。」
「私はフィと一緒に入りたいなっ。」
「こらっ、水月にはお片付けがあるでしょっ。お風呂くらい休ませてあげなさい。」
「うぬぅーー...、一緒に入りたかった...。」
水月ちゃんが少し残念そうにしているのを見て、良いよと了解したかったが、その気持ちはぐっと抑える事にした。
「うちは、露天風呂なのでゆっくりしていって下さいね。洗面用具はお好きに使って下さい。着替えは後でお持ちしますね。」
「はい、何もかもお世話になりっぱなしですね。」
「いえ、この世界の平静の為に来て下さっているお二方に無礼があってはいけませんからね。そのくらい、お気に留めないで下さい。」
緑針さんの対応に、お酒が入った後の方がよっぽど仕事人という感じがして、私自身もこれに反論出来なかった。
「では、お嬢様行きましょうか。」
「うん。」
そう言って、縁側を左に進んで、突き当たりを左に曲がって、私たちは浴室に向かった。
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